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「高山之末[たかやまのすえ]短山之末[ひくやまのすえ]より、佐久那太理[さく

なだり]に、落多支都[おちたぎつ]、速川[はやかわ]の瀬坐[せにます]、

瀬織津比賣[せおりつひめ]と云神[いふかみ]、大海原[おおうなばら]に持出

[もちいで]なば、荒塩之塩[あらしほのしほ]の八百道[やほじ]の、八塩道

[やしおじ]塩[しほ]の八百会[やほあひ]に座[ま]す、速開都比賣[はやあきつ

ひめ]と云神[いふかみ]、持可可呑[もちかかのみ]ｔむ。如此[かく]可可呑

[かかのみ]ては、氣吹戸坐[いぶきどにます]氣吹戸主[いぶきどぬし]と云神

[いふかみ]、根国底之国[ねのくにそこのくに]に、氣吹放[いぶきはなち]てむ。

如此[かく]氣吹放[いぶきはなち]ては、根国底之国[ねのくにそこのくに]に

坐[ます]、速佐須良比賣[はやさすらひめ]と云神[いふかみ]、持佐須良[もち

さすら]ひ失[うしなひ]てむ。如此[かく]失[うしなひ]ては、自今日始[きょう

よりはじめ]て、罪[つみ]と云[い]う罪[つみ]は不在[あらじ]と、祓給[はらい

たま]ひ、清給事[きよめたまうこと]を、諸[もろもろ]聞食[きこしめせ]と宣

[のる]。」



　速佐須良比賣[はやさすらひめ]とは、速[はや]（迅速[じんそく]に）、

さすらふ（適材適所[てきざいてきしょ]に、すべてを完璧[かんぺき]に分配

[ぶんぱい]する）働[はたら]きの女神[めがみ]。清浄[せいじょう]になった

血液[けつえき]は、心臓[しんぞう]から全身[ぜんしん]に送[おく]られ、

必要[ひつよう]な栄養素[えいようそ]を分配[ぶんぱい]するのです。一切

[いっさい]の物質[ぶっしつ]は、純粋[じゅんすい]な元素[げんそ]に復[ふく]

して、今度[こんど]は逆[ぎゃく]に前路[ぜんろ]を反対[はんたい]にたどり、

外部[がいぶ]である地球[ちきゅう]の上面[じょうめん]に現[にあらわ]れて、

一切[いっさい]のものの新生[しんせい]の為[ため]に使[つか]われるのです。


　如此[かく]失[うしない]てはということは、一切[いっさい]のものは清浄

[せいじょう]になり、それらのすべてが新生[しんせい]の材料[ざいりょう]に

使[つか]われたということです。

　従[したが]ってそこには過去[かこ]の一切[いっさい]は、消滅[しょうめつ]

して無[な]いのです。だから罪[つみ]という罪[つみ]はないのです。

　祓[はら]いは、過去[かこ]の一切[いっさい]を消[け]し去[さ]る働[はたら]き

です。清[きよ]めは、新[あたら]しいものを新生[しんせい]する働[はたら]き

です。

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