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「高山之末[たかやまのすえ]短山之末[ひくやまのすえ]より、佐久那太理[さく

なだり]に、落多支都[おちたぎつ]、速川[はやかわ]の瀬坐[せにます]、

瀬織津比賣[せおりつひめ]と云神[いふかみ]、大海原[おおうなばら]に持出

[もちいで]なば、荒塩之塩[あらしほのしほ]の八百道[やほじ]の、八塩道

[やしおじ]塩[しほ]の八百会[やほあひ]に座[ま]す、速開都比賣[はやあきつ

ひめ]と云神[いふかみ]、持可可呑[もちかかのみ]ｔむ。如此[かく]可可呑

[かかのみ]ては、氣吹戸坐[いぶきどにます]氣吹戸主[いぶきどぬし]と云神

[いふかみ]、根国底之国[ねのくにそこのくに]に、氣吹放[いぶきはなち]てむ。

如此[かく]氣吹放[いぶきはなち]ては、根国底之国[ねのくにそこのくに]に

坐[ます]、速佐須良比賣[はやさすらひめ]と云神[いふかみ]、持佐須良[もち

さすら]ひ失[うしなひ]てむ。如此[かく]失[うしなひ]ては、自今日始[きょう

よりはじめ]て、罪[つみ]と云[い]う罪[つみ]は不在[あらじ]と、祓給[はらい

たま]ひ、清給事[きよめたまうこと]を、諸[もろもろ]聞食[きこしめせ]と宣

[のる]。」



　佐久那太理[さくなだり]にとは、削[けず]り取[と]るように・雪崩[なだ]よう

に激[はげ]しく。

　落多支都[おちたぎつ]とは、高[たか]い所[ところ]から水[みず]が落[お]ちて、

激[はげ]しくわきかえる。

　速川[はやかわ]の瀬[せ]とは、水流[すいりゅう]の急[きゅう]なところ。

　瀬織津比賣[せおりつひめ]とは、一切[いっさい]の罪穢[つみけが]れ・一切

[いっさい]の汚濁[おだく]を、激[はげ]しい流[なが]れとなって、洗[あら]い

流[なが]し・押[お]し流[なが]し・浄[きよ]め去[さ]る、大[おお]きな浄化

[じょうか]の働[はたら]きをする女神[めがみ]。

　人体[じんたい]においては、食物[しょくもつ]を口[くち]に入[い]れて咀嚼

[そしゃく]し、食道[しょくどう]を通[とお]って胃腸[いちょう]へ送[おく]り

込[こ]まれる働[はたら]き。

　地球[ちきゅう]においては、一切[いっさい]のゴミは、激流[げきりゅう]に

押[お]し流[なが]されて、海[うみ]にまで運[はこ]ばれるのです。

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