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最新情報 及び 食中毒の知識

 1,感染力の強力なおそろしいノロウイルスについての情報
 
 ノロウイルスの恐ろしさはアルコール消毒では死滅しない菌だということです。消毒するには、次亜塩素酸ソーダが要ります。一般に手に入りやすいものとしては、漂白用のハイターなどがこれにあたります。

 ノロウイルスの恐ろしさは他の食中毒菌に比べて、少量の菌数で感染することです。(10個から100個で発症する。他の食中毒菌は何千個何万個でないと発症しない)

 少ない菌数で発症するので、パンでもまんじゅうでもクッキーでも、発症した人が触れたものは感染する怖れがあると言うことです。

 本来細菌は乾燥すると死滅するのですが、このノロウイルスは乾燥しても死滅せずに感染力を持っていますので、ふきん等を乾かしても効果がありません。又、ノロウイルスに感染した人の吐瀉物が乾燥して空気中に飛び回ると大規模な食中毒が発生する恐れがあります。

 吐瀉物の清掃対策としては、

 用意するもの
 イ、使い捨てのタオル
 ロ、ちり紙
 ハ、新聞紙
 ニ、ビニール袋
 ホ、使い捨てのビニール手袋
 ヘ、塩素系の漂白剤→ハイター等々
 ト、手洗い用の石けん
 ニ、三次元マスク等のマスク
 以上をワンセットにしてバケツ等において普段から用意していると、緊急時に慌てないですみます。

 注意事項
  1吐瀉物を直接手でふれない。→必ず手袋をする。
  2,吐瀉物はビニール袋を裏返しに手につけて吐瀉物を包み込み掴んだら袋を返して堅く口を縛って灯油をかけて燃やすもしくは大釜でぐつぐつ煮沸消毒する→すごいにおいがします。決してゴミとして捨ててはいけません。どこかで乾燥して空気中に散布されて大変なことになります。
  3,のこりの部分にはちり紙をかぶせて上からキッチンハイター50倍希釈液(次亜塩素酸ナトリウムの残留塩素濃度200PPM溶液→キッチンハイターのキャップ2杯に水5リットル)でべとべとにして(浸すようにして)消毒するとノロウイルスを失活化出来ます。→希釈の目安は500tのペットボトルにそのペットボトルのキャップで2杯入れあと水道水で満たしてください。
  4,ハイターをつける事のできない部位、たとえばソファー、絨毯等色落ちする部位のときは、表面にタオルをかぶせその上から入念にスチームアイロンで熱気消毒する。(85度1分で死滅する。)
  5,最後に処理をした人の手を次亜塩素酸ナトリウム残留塩素濃度1000PPm→キッチンハイターのキャップ2杯に水1リットルの濃度→200倍希釈のキッチンハイター(2リットルのペットボトルにキャップ2杯)で消毒します。→ただしかなり手の皮膚が荒れますのでおすすめではありません。石けんで入念に15分ぐらいかけて手についたウイルスを洗い流すのが良いです。理想的にはお風呂に入りましょう。(笑)勘違いされている人が多いのですが、アルコール滅菌は一切効果がないので、注意が必要です。
  6,最後に消毒に使用した手袋、マスク、石けん、吐瀉物等々は灯油をかけて燃やすもしくは大釜でぐつぐつ煮沸消毒する→すごいにおいがします。又焼却もしくは煮沸消毒していない汚物は決してゴミとして捨ててはいけません。どこかで乾燥して空気中に散布されて大変なことになります。→燃やせないものたとえばアイロンの取っ手部分等はやはりちり紙をかぶせてハイターでべとべとにしてちり紙パックして消毒します。
  嘔吐している人は勿論のこと下痢をしている人は、ノロウイルスに感染しているとみなして、食品を直接触る部署には配置しない配慮が必要です。→仮に薄い手袋をしていても感染する可能性(医療手術をするくらいの衛生知識がいる、手袋を履く時にあちこちにふれることによって感染する)があります。

 まとめ 

(1)ノロウイルスとは

 きわめて小さい→直径で30万分の1ミリ
 ほとんど遺伝子そのものである。
 細菌検査の時に培養して調べることが出来ない→人の腸内でしか繁殖しないためです。→その為に感染経路や中毒の特定が困難で中毒が発生しても後手後手に回ることが多い。まことに保健所泣かせである。保健所行政としては疑わしきは罰せずであるからしかたがない。
 報道ではさも中毒の大半が生牡蠣の所為で感染するように云われていますが、実際は素手でさわる機会が製造工程にあるすべての食品に中毒の危険性がありその危険性はバカにできません。
 普通の細菌は乾燥すると数時間で死滅しますが、ノロウイルスは3〜4週間は生存するので、上記のように吐瀉物を殺菌せずに拭き取っただけでは乾燥して空気中に飛散し広範囲に伝染します。→きわめて強い感染力(数個から100個のウイルスで感染する)なので注意が必要。又、容器等をフキンで拭き取って保管するのはこういう観点からも危険です。
 特に注意することは人間の吐瀉物には大量のウイルスが存在します。必ず消毒する必要があります。
 消毒にはエタノールや逆性石けん(オスバン)は効かない、次亜塩素酸ソーダ(ハイターを50から100倍希釈液で消毒する)で消毒するか大量の蒸気(対象物の中心温度で85度1分以上)で高温殺菌するしかないのでやっかいです。
 製造工程で一番有効なのは食品への加熱処理です。→中心温度85度以上、1分以上の加熱で死滅します

(2)どうやって感染するか?

 感染原因→経口感染(ウイルスが直接口に入ること)

 経口感染のルートは通常3っつのルートが考えられます。
 
  1,ノロウイルスに汚染された2枚貝(生カキ等)を加熱せずに摂取したとき。
  2,感染者の手で触れたり、痰のしぶきにより食品が汚染され、それを摂取したとき
  3,感染者の吐瀉物が乾燥して空気中に飛散したり、糞便をしたときに拭いた手がトイレットペーパーを通過して(紙に遮断特性は無い)手にウイルスが付その手で食品を触って汚染する、それを知らないうちに摂取して感染する。
 但し感染しても健康な人や体力が弱っていても1〜2割の人は無症状です。→感染が自覚できないので、健常者といえども手洗いの励行は必要です。


 (3)ノロウイルスはどのような症状か?

 1,潜伏期間 12から48時間→ピークは36から39時間

 2,発病者の症状

  嘔吐→60から90%、吐き気、嘔吐が凄くゲボ風邪と呼ばれる事がある。子供が嘔吐が多く、大人は下痢が多い。5回以上の下痢が20から40%特に症状がひどいときは水様下痢になります。→ビオフェルミンやわかもと等の乳酸菌錠剤を飲むと症状が緩和される事が医学学会で報告されていますが、基本的にはお医者さまに行って相談してください。
  発熱は軽度10から80%までの人になるがばらつきが合って一概にいえない。
  腹痛80%程度
  罹病期間→多くの人は1日から2日で治る、特に後遺症もない。
  感染しても上記症状が出ずに軽い風邪のような症状の人もいる、

  但し感染しても健康な人や体力が弱っていても1〜2割の人は無症状です。→感染が自覚できないので、健常者といえども手洗いの励行は必要です。→このために感染ルートの特定が困難である。



   ノロウイルスに因る食中毒を予防するために・・・・・。

 生食用のカキの表示があっても家庭内汚染の危険があるので、出来るだけ加熱して食べる。

 丁寧な手洗い(2分以上)の励行にてウイルスを流し去ってしまう。

 カキ(2枚貝)等を扱った調理器具は洗浄後、熱湯煮沸消毒をする。

 ウイルスを食品につけないようにする→素手でさわるな!→使い捨て手袋か箸で掴む。

 基本的にカキは加熱して食べる(中心温度85度以上で1分間以上の加熱)

 人間の腸内で、培養増殖するのがノロウイルスの特徴です、これがやっかいな理由でたとえ健常者といえども大量のウイルスを、手やつばを通してばらまく恐れがあるということなのです。
 必ず用便の後等々の手洗いの励行とマスクの着用は必要です。
 元気だから自分はノロウイルスを持っていないと安心するのは禁物です。
 アルコール消毒で死滅しませんので、用便後の手洗いは流水で30秒間以上ウイルスを洗い流す注意が必要です。

 

二酸化塩素はノロウイルスの殺菌に効果的です。ここで二酸化塩素→無臭ーむ販売中


ノロウイルスの殺菌法として法令では認められていませんが、手が荒れずに洗い物等に効果があるのでそれぞれの食品製造現場でよく使われているものに、 強酸性次亜塩素酸水について、書きます。
 

 法令は現場での報告を後追いで効果を確認してきますので、現在は認められていませんが、実際にノロに対する殺菌効果があるので、手が荒れずという利点からに食品製造現場の食材(野菜)や手や器具の洗浄に使われています。


ここより食品安全委員会報告はじまり

 平成17年9月における食品安全委員会 添加物専門調査会における報告

 添加物 次亜塩素酸水の成分規格改正に係わる食品健康影響評価について

1,はじめに
 次亜塩素酸水は殺菌料の一種であり、塩酸又は食塩水等を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液である。
  我が国では平成14年6月に食品添加物として指定されており、現行の成分規格では次亜塩素酸水には、強酸性次亜塩素酸水及び微酸性次亜塩素酸水がある。
 また、同様のハロゲン系の殺菌剤として、次亜塩素酸ナトリウムが昭和25年に、高度サラシ粉が昭和34年に食品添加物として指定されている。

 2,背景等
 食品安全基本法に基づき、厚生労働省から食品安全委員会に対し、次亜塩素酸水の成分規格の改正の係わる食品健康影響評価が依頼されたものである。平成17年1月31日、関係書類を接受(→接受とはもともと中国語の動詞で ピンインと読みその意味は受け取るである公文書では権威付けの為にむずかしく表現することが多く、この言葉もよく多用される。日本では本来は外務省で他国の外交管を受け入れることとして使われていた。)

 3、名称等
 名称:次亜塩素酸水
 別名:電解水
 英名:Hypochlorous acid water
 化学式 (有効塩素):Cl2,HCIO,CIO
 存在状態:次亜塩素酸は、PHに依存して、その存在状態が異なることが知られており、PHが高くなるにつれ、塩素ガス(Cl2)。次亜塩素酸(HClO),次亜塩素酸イオン(ClO)と存在状態が変化する。

以上委員会報告おわり

PH11からPH11.5の強アルカリ電解水としては、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダのこと)
PH7.5からPH9の微アルカリ電解水としては、電解次亜塩素酸水がありこれは希釈次亜塩素酸ソーダと同等品になる)
PH7の中性次亜塩素酸水としては、水道水を電解したものが3から5PPMを示す
PH5からPH6.5の微酸性次次亜塩素酸水としては、塩酸水を電解したものが10から30PPMを示し、塩酸と食塩水を電解したものが50から80PPMを示し食塩水を電解したものが30PPMを示し、これは歯科医や獣医師が消毒消臭に利用している。これとはべつにPHを安定化させたものとしてPH調整次亜塩素酸Na水と次亜塩素酸ソーダを塩酸でPH調整したものが25から50PPMを示し、液体で販売されている。



    食品の保存に対する知識向上の為に

     菌検査と水分活性値と食品の保存について関係

微生物が増殖するにはそれぞれの微生物に適した栄養素、PH、水分等を必要とします。

また酵母も活動するためにはやはりそれぞれに適した栄養素、PH、水分等を必要とします。

この時の活動は食品の水分含有量に影響されるのではなくて、水分の存在形態が問題になります。なぜなら、その水分中に微生物が利用できる形態として(自由水として)どれだけあるかにかかっているからです。

 食品には水分が含まれていますが、その存在する形態から結合水、溶解水、自由水の三つに分類されます。結合水は食品成分と化学的に結合しており、一般の乾燥法では蒸発せずにいるし、マイナス30度以下でないと凍結もしないのです。氷点下数十度という極寒冷地でも木が凍らないで生存できるのはこの結合水のおかげです。溶解水は食品中の可溶成分が溶存しており、その結合力は結合水よりは弱いのです。自由水は食品との結合力は非常に弱く、食品表面の隙間にしみこんでいる水分が多く、また、簡単に乾燥剤等で蒸発させることも出きるのです。。この水分の内で、微生物が生存繁殖するに必要な利用できる形態の水の状態は自由水でその比率を水分活性値(AW) Water Acitivityといいます。

 水分活性値の計測のしかたは密閉された容器内で純粋の蒸気圧を基準にしておなじ蒸気圧で食品にこれ以上入らない(平衡蒸気圧とをくらべて測ります。食品には水分だけではなく蛋白質やデンプンなどの固形物が含まれているので、相対的には水の少ない状態となっているので、値は0以下になります。わかりやすく言えば水分活性値に100を掛ければ食品を密閉した場合の容器内の湿度となります。この容器内湿度が食品の保存性に大きく関わっているのです。

 食品中の炭水化物、蛋白質、脂肪などの種類及び構造にと存在状態により水素結合が変わり水の保持状態は変化します。これを結合水といいます。
 食品中の水分を利用して塩分は食塩水としてナトリウムイオンと塩素イオンへの水和として働きます。
 食品中の水分を利用して砂糖は水素結合を行い水分活性値を下げる方向で働きます。

 水分活性値0.25以下の場合は食品中の水分はすべて結合水とみなすことができます。この場合は食品の変質を防ぐことが出来ると見て良いでしょう。

 繰り返しますが水分活性値は食品に含まれる水分量ではなくて、自由水という食品内を自由に動き回ることの出来る水の値を言います。まあ、わかりやすく言うと細菌が利用しやすい状態の水ということでしょうか。

 たとえば、塩漬けの食品や、さとうシロップ漬けの食品の場合に腐らないのは、塩分や糖分のお陰で自由に動き回ることの出来る水の値が極端に低いからです。

 この原理を利用して、水分含有量の多い食品でも水分活性調整剤(塩化ナトリウム、砂糖、アミノ酸類)やアルコール類を投入することによって、その食品の貯蔵性を高めることができます。(しかし、低水分活性環境下においても増殖して食品を腐敗させる微生物も存在いたします。低水分活性下でも増殖する微生物とはカビ、酵母でこれらは乾燥食品・塩蔵食品であっても腐敗させる原因となっていますので注意が必要です。)。

 いにしえよりある、塩蔵法、糖蔵法、乾燥法はこの原理を応用したモノです。
 現代ではこれに冷凍法が入ります。

 なんども申しますように、微生物は砂糖や塩、醤油、の溶解した水及び氷は自分の増殖に利用することができません。食品の中に塩や砂糖が溶け込むとき砂糖・塩等の成分が水と強く結びつき微生物が利用しにくい形となります。なぜなら、食品の水蒸気圧は低下するからです。この値を水分活性値といいます。

 水分活性は、微生物の増殖だけではなくて、食品の酵素反応、食品成分の化学反応、非酵素的褐変、酸素による脂肪の変色、過酸化脂質の生成、食品のテキクスチャー、栄養素の分解などにも影響します。たとえば水分活性が低くなると脂肪酸の酸化やカルボニル反応が起きやすくなります。食品を製造する者はもっとこの値を気にするべきです。

 次に実際の水分活性値と微生物(細菌等)の活動限界について見てみましょう。

    魚介類、肉類、果物等比較的含水量の多いものの水分活性値は0.99から0.98です。
    0.98ではボツリヌス菌によるボツリヌス毒素の産生があります。
    0.97から0.96ではウエルシュ菌の増殖があります。
    0.97から0.94ではサルモネラ菌の増殖があります。
    0.96から0.94ではボツリヌス菌の増殖があります。
    0,96から0.94では大腸菌の増殖があります。
    0,88から0.86では黄色ブドウ球菌の増殖があります。
    0.80では真菌(かび)が発生します。→この場合水分量の少ない食品であっても空気中の水蒸気や水分を利用して増殖できます。

    0.7からは、通常微生物の成育限界といわれ、増殖することはないといわれています。

    米や大豆のような乾燥したモノは水分活性値が0.64から0.66です。

   0.65からは一般の酵素反応の限界といわれています。これはカビ等が分泌した酵素が働く限界だということです。麹を使っておみそを作るときもこの値より上でないと作れないと言うことです。


カビの生育条件について
 カビの生育条件は数ある微生物の中でも最も水分が少なくて増殖し、一般に湿度80%以上、水分にして15%以上あればほとんどのカビ類は増殖します。
 ただし麹カビは湿度62から63%水分13から14%で増殖します。→こ性質を利用して醸造発酵をおこなうのです。
 結論として食品の水分含量が10%以下であればカビの増殖することはありません。

 食品の種類としては、澱粉質のものに繁殖しやすく、米、小麦、そしてこれらを用いた加工食品は、通常、水分活性値が0.135から0.155にあるので高温多湿の空気中に放置しておくとカビが繁殖します。

 乾燥米菓、煎餅水分値が4%から8%であるのでカビの発生する心配はないのですが、やはり高温多湿の空気中に放置するとカビが発生しやすい13%から14%とになるので注意が必要です。

パン、カステラ、生菓子などは水分が30%付近にありカビが猛烈に繁殖しますので注意が必要です。

 カビの増殖最適温度は25度から30度で15度以下40度以上になると増殖率は低下します。しかし家庭用冷蔵庫でも零度から5度の範囲での温度変化が出し入れの結果はげしいのでゆっくりではあるがカビが繁殖します。

 高温側では60度10分から15分でたいがいのカビは死滅しますが、一部のカビは胞子を作って耐熱性を持ち100度5分に耐えるカビが一杯あります。

 カビの生育条件の中で酸素は重要で、酸素濃度が1%以下まで下げると生育は著しく抑制されます。0.1%にすればごく限られたカビしか生育できないのです。
 
 結論的に申しますと。酸素濃度を1%以下にすれば大丈夫ということです。

 二酸化炭素の場合は静菌作用があり、二酸化炭素が50%以上あれば一般のカビのほとんどは生育できません。水分活性値が低ければ30%でも大丈夫です。ただし、二酸化炭素は実際の注入現場では臭いがでることがあり、注意が必要です。

 PHが1から11の間でカビは生育し5から6で最もよく生育します。またカビの胞子の発芽はPH3から6の間です。

 結論を申しますと、包装によるカビ防止方法として

1,脱酸素剤で容器内酸素を除去すること。

2,二酸化炭素、または窒素ガスとの混合ガスによるガス充填包装をおこなうこと。(窒素ガス100%充填はカビ防止効果の持続性が低い。

3,包装後約200度での乾燥熱で食品表面のカビを殺菌する、紫外線やマイクロ波で殺菌する方法もあるが、表面や内部を均一に殺菌することが困難で使用例は少ない。

4、AITの静菌作用を利用したカラシード、エチルアルコールの殺菌力を利用したアルコール製剤(アンチモールド等)を封入する。

 以下 代表的な食品の水分値および水分活性値を書き出します。

 やさい、90%0.99から0.98
 果実 89から87%同上
 魚介類 85から70%以上同上
 食肉類 70%以上同上
 卵    75%以上0.97
 魚肉ソーセージ88から86%0.98から0.96
 焼きちくわ 75から72%0.98から0.97
 かまぼこ 73から70%0.97から0.93
 開きアジ 68%0,96
 チーズ 40%同上
 ジャム 20%0.94から0.82
 パン 35% 0.93
 ハムソーセージ 65%から56%0.9
 羊羹 20% 0,87
 イカ薫製 66% 0,78
 ケーキ 25% 0,75
 ゼリー 18% 0,74
 キャンデー 1% 0.65から0.57
 ビスケット 玉子入り小麦粉せんべい 4% 0.33
 チョコレート 1% 0.32
 おかき せんべい 3% 0.25
 えびせん 2% 0.25
 カリントー 2% 0.25

  富田林保健所配布パンフレットより
    菓子製造業 あん製造業の製造における注意点

(従業員・施設)
 1,作業前、作業中等必要に応じて手指の洗浄・消毒を行うこと。
 2,定期的な検便の実施及び始業前に手指の傷、下痢をしていないか等の確認を行い、常に従業員の健康状態の把握に努めること。
 3,作業従事者は、生レバー等の生食肉や生かきの喫食(きつしょく)は避けること。
 注意)「生食用かき」の表示がある生かきは、細菌数が規格基準を満たしていることを指し、食中毒の原因となるノロウイルスが含まれていないという保証ではありません。

(食品の取り扱い)
 4 原材料や加工食品等の購入及び検収に際しては、品質・使用添加物・表示等のチェックを行うこと。
 5 原材料や製品は、冷蔵庫・戸棚・陳列ケース等の区分して保管し、保管する場所は常に清潔に保つこと。
 6,あん・クリーム等の放冷は、防鼠・防虫・防塵を施した設備で行うこと。
 7,加熱すつときは、中心部まで十分に行うこと。(目安は中心部75度1分間以上)
 8 玉子を使用する製品にあっては、次の点に注意すること。
  (1)殻にヒビの入っているものなどは賞味期限内であっても生食しないこと。
  (2)正常殻付き玉子は必ず冷蔵庫保管し、新鮮なうちに使用すること。
  (3)卵割する際は必要な量だけおこない、長時間にわたり割り置きしないこと。
  (4)液卵は8度以下(冷凍液卵はー15度以下)で保存し、消費期限内(又は賞味期限内)に使用すること。
  (5)液卵を原材料として製品で、製造または調理の過程で充分な加熱を行わない場合は。殺菌済みの液卵を使用すること。
 9,異物混入の防止に努め、検品についても複数でチェックする等体制を図ること。
 10,売れ残り、あるいは返品のあった製品と、販売予定の製品は明確に区分すること。
 11,製品の温度管理、販売方法等の衛生的な取り扱いについて、販売店を指導すること。

 (器具の取り扱い)
 12,調理器具は用途別に使い分けること。特に、まな板・包丁は下処理用と仕上げ用とを区別すること。

_13,冷蔵庫・冷凍庫内は食品により明確に区分し、二時汚染防止に努めること。また、週1回以上の掃除及び在庫整理を行うこと。
 14,食器・調理器具は使用後殺菌消毒し、衛生的に保管すること。

 (表示)
 15,製造した食品には適正な表示をすること。
    特に、期限表示(消費期限又は賞味期限)は正確かつ明確に行うこと。
    なお、期限設定にあたっては、食品の特性に応じて、微生物試験、理化学試験及び官能検査等の結果に基づき科学的・合理的に行うこと。
    また、菓子製造業にあっては、遺伝子組み換え食品及びアレルギー物質を含む食品に係わる表示についても原材料表示の確認をするなどし、適正に行うこと。