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  原則の1,食品衛生危機(ハザードアナリシス)の予測・・の解説

   製品の製造に於いて、原料の保管、加工、製造、出荷に至るまでの過程においてどのような危険つまり三大危害である、生物学的、物理学的、科学的危害がどのような時に起こりうるかを考え、それらを未然に防ぎ、安全で衛生的な食品にするための手段をどうすればよいか?具体的に、原料の仕入れから製品の出荷に至るまでの過程で考え記録すること


HACCPでの危害、危険物(ハザード)とは?

  1,製造時や製品や仕掛品の保管時、或いは製品完成後の保存時に繁殖の危険性のあるバクテリア
  2,食品を直接汚染する道具、或いは、食品に接触の可能性のある道具、機械、備品等に付着した殺菌、殺虫剤等の化学薬品
 3,異物混入の危険性可能性のある食べ物以外の物質、または手抜きの清掃、手抜きの製造、常識では考えられない根拠のない冒険的手法、根拠のない勝手な判断等はおおきなリスク(危険性)になり危険な状況そのものもしくは危険な状況に陥る要因であると認むもの。


 たとえば食中毒を例にすると・・・
 食中毒の危険をの予測別の言い方をすれば、食中毒を助長する要因はなにか?と考えることです。

 あくまで、食品販売が前提ですので、この食品を買うのは誰か?と考えるのです。
 もし、貴社の製品が、子供やお年寄り向けであれば、いわゆる免疫力の弱い人々でありますから、食中毒に対する抵抗力が弱いと言えるのです。レストランのように、調理されてすぐにテーブル(食卓)に運ばれるのではなく、スーパー百貨店等々の流通に乗る場合などを考えて、その細菌の繁殖を抑える方策を考えそれを維持できるように工夫しすることが大切です。そのために、製造工程管理で、落下雑菌を押さえたり、手指の消毒、器具の消毒の完全さを求めることです。

 製造するためには原料の調達は、避けることができません。この資材、原料が汚染されていたらおはなしにならないのです。HACCP準拠の点検基準のもとづいて用意されている原料以外は使用に適さないと見なさなければなりません。
 さらには使用する原材料についての添加物の有無や名称、入手先、産地、製造方法などを掌握すると共に確認して記録をする必要があります。

 製造場所の規模と設備とその内容のバランスを考察する必要があります。たとえば、冷蔵庫の大きさは適当であるか?ということです。製造規模よりもちいさい冷蔵庫でありますと、その保管温度が維持できなくなったり、或いは、冷蔵庫に入りきらずに、外に放置されるということも考えられます。
  そのような場合は、すべてを自社で製造することを諦め、ある程度半製品として、下請け協力工場で加工されたものをつかうというのも一案です。

 商品の品揃えの考察、
 
 あまり最初からすべての製品をHACCP準拠にしようと欲張らずに、まず、自社のメインの商品だけを選び出し、食中毒や異物混入の危険性を考慮して、その危険性を排除するポイントを選んで管理するのがよいです。

 商品の特徴を掌握すること

 貴社のメイン商品について、原料の名称、産地、製造方法等、仕入れ先等について、仕入れ先に確認して記録すること。
 製造方法に衛生的観点から無理や矛盾がないか再検討すること。

 まとめとして、メインの商品の製造の流れ図(フローチャート)を作り、製造に携わる全員に衛生的に製造するためにはどこに注意しなければならないかを明確にして、全員の共通の理解とすることが大切であるということです。

  原則の2,CCP(クリチカルコントロールポイント)の設定、つまり重要管理(クリチカルコントロール)基準を決めそれの要所(ポイント)の設定(アイデンテフィーイング シーシーピーズ)・・・の解説

 CCP(クリチカルコントロールポイント→重要管理基準)とはもっとも危険と思われる部分を徹底的に注意して管理することで、食品製造における安全性を保つ上で重要なことであるとしているのです。
 製造方法や、原材料の流れであるフローチャートを書き、かつ、それを記録するという手法です。
 このCCPとは製造する製品の原料の種類や製造法によっても異なり、また原料の製造上の流れで必要であったり無駄であったりします。それは、加工する時の温度によります。
 品温の中心温度が何度かということによって大きく危険性が変わるのです。たとえば、ノロウイルスの場合、中心温度85度60秒以上の加熱時間と温度が必要ですが、この適正温度での加熱と加熱時間こそが、CCPで管理製造するということになるのです。
  過去の事例から明らかにされた食中毒の危険性箇所の中から、危険物の排除、食品衛生危機の予防、危険発生のリスクを防ぐにはどこが一番注意する箇所であるかを探し出しCCPとして決定することで管理する目安となり安全作業の効率を高めることになるのです。





  原則の3、食中毒防御や異物混入防止の管理基準(セッテングアプイーチアイデンテフィールドバイシーシーピ)を決める・・の解説

  製造工程の手順のどこで安全基準(CCP→保管温度や酸性度や塩分度や加熱時間や加熱温度等々)作業工程での安全確保をするための判断方法を決定することです。

原則の4、CCP(クリチカルコントロールポイント)→管理基準の監視方法の確立(モニタリングツーHACCPシステムイズワーキング)

 CCP(クリチカルコントロールポイント)→管理基準の監視とは、作成された製品の衛生安全基準が守られていることを確認することです。そのために、定められた基準がちゃんと守られているか?をチェックする方法を確立しておくことです。もし、管理基準から外れてしまった場合は、速やかに(すみやかに)製品の出荷生産を止め、いつ?どこで?外れたか?を追跡調査できるような記録方法が必要です。それがないと、迅速な対応ができずに、いつまでも製品の出荷停止がつづくことになります。
 この場合、現場の作業員がこのCCP(クリチカルコントロールポイント)管理システムを良く理解して、普段の作業中に管理基準が実行されているかどうかがだれでもがわかるようになっていることが大切です。

原則の5、改善処置を決める(トーキングコレクチブアクション)

 CCP(クリチカルコントロールポイント)管理基準の手順からはずれたら、どのようにして安全な手順に戻すかの方法を決めることです。
 原因を追及訴追し、速やかな対応策を考えることです。





  原則の4、管理基準の監視方法(モニタリングツーHACCPシステムイズワーキング)の解説

 CCPの監視とは作成された食品の衛生安全基準が守られているかを確認することです。
 別の言い方をすれば、定められた手順がきちんと守られているかをチェックする方法を決めておくということです。
 そして、もし、管理基準から外れた場合は、1,どこで外れたか?2,いつ外れたか?3,なぜ外れたか?を追跡調査して迅速な対応と訂正改正が必要になります。通常食品衛生危機の最大監視事項は温度とその加熱時間です。、






  原則の5,監視の結果わかった矛盾点の改善処置(トーキングコレクテブアクション)を決める。

  管理基準の手順から外れたら、どのようにして安全な手順に戻すかの方法を決める。
  つまり、どうしてそのようになったか?と原因を追及し、迅速な対応策を考える。

  改善(改修)

   もし、CCPの基準が満たされていないことを発見したならば、速やかに(すみやかに)改善する必要があります。
   多くの場合は、日付を付ける等の単純な改修改善策で解決しますが、簡単でない時もあり得ます。
   例えば、あきらかに、異物が混入して発見できないときは、製品をすべて廃棄処分にしなければならないような事態に追い込まれるときもあるのです。
   このような場合でも、現場の勝手な判断で行うのではなく、必ず責任者の指示を仰ぐように、組織のシステムを決めておく必要があります。





  原則の6、確実に管理されているかの確認手順を設定する。(レコードキーピングシステム)

  マニュアルに記載されてる衛生管理通りに行われて、手順間違いや手抜きがないかを検証することです。

   1,HACCPシステムの機能見直し
   2,HACCPシステムが古くなった時の検証(システムオーバータイム)
   3,HACCPシステムは常に最新のものであること。
     イ、備品、設備の更新変更によって、基準が変わり、マニュアルによる作業が効力を失った時、或いは、顧客や仕入れ業者の変更により、別の新しい危機が予想される時。
     ロ、新製品ができたり、製造方法が大幅に変更された時。


  原則の7、管理システムが機能し、確実に維持されているかを確認し、記述で記録する。(レコーデングキーピングザットウイルドキュメントザHACCPシステム)

 記録保持のシステムを作る

 記録とは、組織の上のものから末端の者まで、だれにとってもわかりやすく、使いやすいものであるべきです。

 そのためには、

  1,いくつかの項目を同時にチェックするために(温度記録清掃記録等々)作業場の近くにメモ用紙や掲示板(メモボード)等々を用意しておくと、全員の意識が活発化して、生きた活用につながります。
  2,常に、どのような処置をとったかを書き留めたノートを用意し、全員が見ることができるようにしておくと良いです。
  3,製造マニュアルは現場作業員が必要な時に速やかに(すみやかに)見られるように常に現場作業所のわかりやすいところ手にとりやすいところに置くことが大切です。

 このように、記録システムが使いやすい状態にあれば、架空の記載をあとで行う嘘や見せかけ(ドライラボ→帳尻合わせ)を行うという悪い習慣がなくなります。

つまり、システムが完全に機能していることを確認することが重要なのです。(バリファイイングザットザシステムイズワーキング)

  4,手順が順序正しくリストされているか?