低温利用による醗酵の制御

 

なぜ、製パン現場が早朝作業が多いのであろうか?それは、パンの老化が早くて焼きたての優れた風味は2日もたないからである。

 そこで、早朝の作業をすこしでも改善しようとして、オーバーナイト法や冷蔵生地法や冷凍生地法が考案された。

 

1、冷蔵生地法

混捏した生地を直ちに醗酵させたのちに0度から5度くらいの低温に置いて醗酵を抑制し早朝の作業を減らそうとするものである。

 欠点は、パンの体積の減少、内相のあれ、焼き色の赤褐色化である。

 @冷蔵に先立つ予備発酵が1時間を越えると悪影響がでやすい。

  理由⇒酵母の醗酵によって生成された炭酸ガスは低温になると生地中の水分に吸収され、結果体積の減少、内相のあれ、⇒気泡膜が厚くなる⇒焼成時間の延長⇒メイラード反応の長時間化⇒褐色化となる。

 

2、冷凍生地法

 混捏した生地を直ちに醗酵させたのちにマイナス30度くらいの低温に置いて醗酵を抑制し早朝の作業を減らそうとするものである。

 @冷蔵に先立つ予備発酵が1時間を越えると悪影響がでやすい。

  理由⇒酵母の醗酵によって生成された炭酸ガスは低温になると生地中の水分に吸収され、結果体積の減少、内相のあれ、⇒気泡膜が厚くなる⇒焼成時間の延長⇒メイラード反応の長時間化⇒褐色化となる。

 A酵母が冷凍障害をおこし醗酵が少なくなる。

 B生地の冷凍障害

  イ、たんぱく質の凍結変成

  ロ、氷の結晶化が成長してグルテン膜が破損する。

  ハ、水和した生地から氷が結晶化する際に生地中の水分を奪う

  二、冷凍障害のおきた酵母から還元性物質が流出する。

C耐糖性酵母を用いると上記の問題はすべて解決す