3,ビートグラニュー糖についての考察
 ビートとは甘藷大根のことで寒冷地にでき、その根からは良質の砂糖がとれることが知られている。
 ビートグラニュー糖の性質はサトウキビグラニュー糖と比べると、甘味度、溶解度、沸点上昇、防腐性等ほぼ同じである。ただ、高温加熱時や酸を加えたときに転化糖が出にくい性格がある。
 例えば、180度に加熱したとき、サトウキビグラニュー糖はその転化糖ができる度合いが70%くらいあるのに対して、ビートグラニュー糖の場合は14%ときわめて少ない。また、酸を添加した場合でもほぼ同じである。
 
 この性質を利用して以下のような特徴ある製品が作れる。

 キャンデー →水分、転化糖量、褐色性、吸湿性、流れ面積などが少ない飴を作れる。

 スポンジケーキ →表面のつや、浮き具合、すだち、に安定したケーキを作れる。

 ビスケット、ラング・ド・シャー → 表面のつや、浮き具合、すだち、に安定したものを作れる。

 上記の例のように、長崎カステラ、ドーナッツ、バタークリーム、小麦粉煎餅においても安定した結果が得られる。